DEAR-YOUTH ~開発教育ユースチームのブログ~

開発教育協会(DEAR)のタスクチーム『DEAR-YOUTH』 開発教育初心者チームメンバーによるブログです!

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

フェアトレードスクールコーディネーター  ハンナ・ダルルンプールさん

はまゆうです。

以前告知をしたように、
【フェアトレードスクールコーディネーター ハンナ・ダルルンプールさん】

のことをフェアトレードリソースセンター(FTRC)
http://www.ftrc-jp.org/
のレポートボランティアで書き、先日UPされましたので、
DEAR-YOUTHのブログにもUPさせていただきます。


今回のレポートは、
まさに

■開発教育とフェアトレード■

です。

 今、イギリスの学校にフェアトレードの風が吹いています。
フェアトレードスクールコーディネーター
ハンナ・ダルルンプールさん



今、イギリスの学校にフェアトレードの風が吹いています。

子どもたちがフェアトレードを知り考え、アイディアを出し合い、自主的に行動に移していく。校内の自販機の商品をフェアトレード商品に変えたり、子どもが親にフェアトレードを教えたり。学校とフェアトレード、そこにはどんな可能性があるのでしょうか。

今回は、私たちになじみのない“フェアトレードスクールプロジェクト・コーディネーター”というお仕事をしていらっしゃるHannah Dalrymple(ハンナ・ダルルンプール)さんをご紹介したいと思います。また、ハンナさんのインタビューを通して、教育現場におけるフェアトレードの状況をお伝えします。

フェアトレードスクールプロジェクトとは、教職員・生徒・親が世界の相互依存、特にフェアトレードと貿易に関わる問題を理解し、自分たちの行動(特に消費者としての選択)がどのように世界にインパクトを与えるかを正しく認識することを目的としています。まず生徒を中心とした推進クラブを設立し、フェアトレードポリシーを学校で承認し、各教科でフェアトレードに関連した授業を行います。そしてフェアトレードキャンペーンを学校全体で行い、そして以上のことを持続可能に行っていくことを確かにします。最後にフェアトレードスクール規準を満たしているかハンナさんが判断し、フェアトレードスクールと承認されます。現在フェアトレードスクールのステイタスはリーズ市によって授与されていますが、近い将来フェアトレードファンデーションから授与される予定です。

<参考:フェアトレードスクール規準>
①フェアトレード推進クラブを設立すること
②フェアトレードポリシーを確立すること(以下必要項目)
・ フェアトレード商品を保護者会や教員ミーティングで使うこと
・ 学校の将来計画にフェアトレードスクールの展開を含むこと
・ 校内の売店や販売機でフェアトレード商品を売ること
③学校全体にフェアトレードを啓発すること
④学校全体にフェアトレードに向けてアクションを起こすように勧めること

<注意点>
①すべての活動は持続可能であること
②生徒がすべての経過において積極的に参画すること
③フリートレード・フェアトレードに関わっている途上国の人々の話や実例を用いること

ハンナさんは今、私がボランティアをしているLeeds DEC (Leeds Development Education Centre, リーズ開発教育センターhttp://www.leedsdec.org.uk/)にデスクを置き、フェアトレードスクールプロジェクトに取り組む学校をサポートしています。初めてLeeds DECを訪れたとき、開発教育センターにフェアトレード専門のスタッフがいることに大変驚きました。


このユニークな活動を行うことになった経緯をまずお伺いしたところ、最初は一筋縄ではいかなかったとのこと。
「大学で国際関係学を学びつつ、Leeds Trade for Change というNGOの元でフェアトレードショップのボランティアをしていたのが始まりです。その団体がTime for Change というフェアトレードを学校で教える2年間限定の教育プロジェクトを行うことになり大学卒業と同時にそのプロジェクトの仕事に就きました。2年間活動しましたが、教育現場において、短期間のプロジェクトは当然効果的ではなく、Cheshire DEC(チェシャーDEC)が行っている“フェアトレードスクールプロジェクト”を真似て、DFID(国際開発局)の資金援助の下、活動を2年間継続しました。しかし親団体であるLeeds Trade for Changeが残念ながら活動を停止してしまい、フェアトレードスクールプロジェクトも活動停止の危機に直面しました。幸運にも、ちょうどリーズがフェアトレードシティとして承認され、市が私の活動を援助してくれることになり、Leeds DECを拠点にパートタイムで仕事を続けることができ、現在に至ります。」6年前からフェアトレード教育活動が行われていたこと、政府、地方自治体の資金援助があったことに、必然的に日本と比較をしてしまいます。

では、実際ハンナさんはどんな活動をしていらっしゃるのでしょうか。
まず、口コミや熱心な先生の働きかけによってハンナさんに「どのようにフェアトレードを学校に取り入れればいいのか?」といった相談が学校から来ます。その後、ハンナさんは学校の環境を配慮した上で臨機応変に対応します。決して確立されたプログラムがあるわけではなく、あくまで学校の状況にあわせてフレキシブルにその学校を“サポート”します。ある学校は、最初に多様な方法を提示しただけで、すぐ活動を始め、そして約1年でフェアトレードスクールのステイタスを得ました。ある学校では、ハンナさんが学校に毎週通い、教材を紹介し、相談に乗って、やっと学校で取り組むことが決まったりします。

さて、この違いは何でしょうか?「学校全体で取り組むので、もし熱心な校長先生と熱心な先生が1人いれば、私のサポートなんてほとんどいらないんです。この2人のうち、1人でも欠けたらうまく進まない。生徒を励ましまとめる、そして興味のない先生を説得する先生は必要不可欠です。」ハンナさんはリーズ市内のすべての学校をサポートしているわけではなく、各学校のフェアトレードスクールプロジェクトは熱心な先生がいて、始まります。そして熱心な先生がいて、続きます。その対策として、少なくとも3人の先生をフェアトレードスクールプロジェクトの中心的存在になってもらうそうです。そうでなくては一人の先生が転勤した場合すぐ活動は終ってしまうからです。

またフェアトレードは学校ですんなりと受け入れてもらえないこともあるそうです。チャリティーの歴史のせいか、学校はどうしても募金を好みます。世界の不公正の問題を取り上げると、いくらフェアトレードの紹介をしても、募金を始めてしまうそうです。開発教育は問題解決型教育と呼ばれ、よくワークショップの最後に問題解決のための様々な方法を提示しますが、日本でもやはり、生徒は何か特別なことをするより募金を選びがちです。もちろんそれもすばらしいことですが、問題解決のためには様々な方法を問題によって選び、また組み合わせ、創り出していくことも大事だと思います。

さて、ハンナさんはどんなことに重点を置いてフェアトレードを学校に紹介しているのでしょうか。「小学生の子どもたちには、まず“World is unfair” (世界は不公平だ)ということを教えます。人々の怠慢や自然災害という理由ではなく、世界の経済構造が不公平だから、人々は公平なチャンスを持つことができないということを強調します。子どもたちは実際“不公平”を普段の生活で感じているのです。よく子どもは“It is not unfair”(そんなの公平じゃないよ。)というでしょう?世界構造の不公平を教えますが、でも先進国に住むあなたたちのせいではないと、罪悪感を持たないように付け加えます。また、世界の子どもたちはイギリスの子どもたちと同じように笑ったり、喜んだり、泣いたりしているという共通点を確認します。そして最後にフェアトレードはそんな世界の人たち、子どもを応援する方法だと紹介します。また中学生以上の場合はどうしてフェアトレードが必要なのか?という質問から出発します。そこから多岐にわたる国際問題、例えば難民やAIDSといった問題にまで発展して考え、話し合う機会を持ちます。」

学校全体でフェアトレードに取り組みことは、一回の授業でフェアトレードを学ぶものとは大きく違います。フェアトレードを学校全体に紹介する過程で、生徒は協力することや自分の言葉・絵・文字で表現することを学び、フェアトレードクラフトコンテストを開催したり、校内の売店にフェアトレード商品を置くように働きかけそれらが成功したとき、達成感を持つことができます。

ハンナさんが作成した「Fair Trade School Handbook」という小冊子があります。フェアトレードをどのように学校で取り入れるかが記してあります。そこには、フェアトレードについて、5つのフェアトレードを取り入れるステップ、学校で効果的に展開する6つのアイディア、地域と協力する4つのアイディア、各教科への対応、ケーススタディ、教材・団体紹介などが記してあります。The Fairtrade Foundation のホームページよりダウンロードができます。
http://www.fairtrade.org.uk/get_involved_school.htm

最後に、話がそれてしまいますが、ハンナさんはフェアトレードスクールコーディネーターの他に様々な活動をしていらっしゃいます。週3回はハンナさんの住む地域のコミュニティーで子どもたちと遊ぶお仕事をしています。また、2005年夏、ロンドンテロの犯人がリーズのまさに、ハンナさんの住む地域に住んでいた事実に、住民は不安感に陥り、住宅地は暗い空気に包まれました。そこでハンナさんが率先し、ムスリム教、キリスト教が協力して、メディアの前でピースマーチングを行いました。ハンナさんは人との繋がり、地域と繋がりを大切にする人です。あるとき、ハンナさんの家を訪れたとき、彼女は家の前の階段に座り、まな板で野菜を切り、その周りに近所の子どもたちが集まり、一緒に笑っていました。フェアトレードという世界を視野にいれた活動、地域に根ざした人と深い絆を作る活動を同時に行うハンナさんは、Think Globally Act Locally をまさに実践している人ではないでしょうか。

このようなプロジェクトができることはフェアトレードがイギリスで盛り上がり、フェアトレードマークが市場に溢れ、子どもたちにとってフェアトレード商品を買うことが身近に始められる問題解決のためのひとつの方法となったからかもしれません。フェアトレードというアイディアはまだ不安定な段階で、フェアトレードマークシステムは論争の的となっています。また、教育にフェアトレードが入り込んでいくことは、ビジネスと教育の関連性において危険性もあると思います。しかし、イギリスの子どもたちはフェアトレードを通して、世界の相互依存の関係や自分たちの権利や責任を理解し、自分たちにできることを考え、協調性といった道徳的な面まで伸ばしています。



――――――――――――――――――――――――――――――――
浜田祐子
DEAR(開発教育協会)ボランティアチーム-YOUTH所属
LeedsDEC(リーズ開発教育センター)インターン
東海大学国際学科卒業後、英国リーズ開発教育センターでインターンを始める。
フェアトレードスクールプロジェクトを含めた開発教育プロジェクトのボランティアをしている。今年9月よりリーズ大学のSustainable Businessコースに修士課程として入学予定。「フェアトレードと開発教育」の可能性に興味がある。
コメント等 は iseharahamada@yahoo.co.jp まで。
――――――――――――――――――――――――――――――――


スポンサーサイト
  1. 2006/08/20(日) 02:53:22|
  2. はまゆう@LEEDS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://dearyouth.blog41.fc2.com/tb.php/20-c259e74c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。